かわらの住人

群馬県より毒を込めて

亡国への嘆き

国に若い世代を選挙に行かせようという気概がまるでみられない。


本気でその気があれば、今頃この携帯から投票を済ませている頃である。


もう老人優遇によって死んでゆく国ならば、


エヴァのマギシステムのように、三台のスーパーコンピュータでもって民主主義をやってもらった方が余程健全である。

 

二十うん歳の夏休み

以前参加した合コンで知り合った子と食事に行った。

 

特別女子と話す事が得意でもないし、相手も静かそうな子だし、冷静に考えるとどうして誘ってしまったんだろうと後悔していた。


もうこれは出たとこ勝負だと丸腰で洋食のお店で会った。


その合コン以来初めてその子と話したのだが、ちょっといいとこのお嬢さんみたいな潔癖な雰囲気と独特な趣味がある今まで接したことのないタイプの子であった。


また今まで付き合ったりした経験が無いらしく、ハードルの高さやら変な期待やら色んな思考が脳内を駆け巡った。


なんとかその会は事なきを得てお開きを迎えたのだが、手応え的になんとなくこれ以上はないのかなと思っていた。


寝る前に携帯を開いたらその子からラインが入っていて、お礼と今度一緒に出掛けたいです的な事が書いてあった。


しくじり先生並の失敗経験の蓄積で卑屈の極みにある自分には、未だにこのラインの真意が読めないでいる。

 

京都アニメーション

京アニの事件を受けて、最初は驚き勝って考えられなかったが、自分が見てきた作品を振り返りながら考えていると泣きそうなくらい悲しい気持ちになってきた。

 

自分達の世代は大なり小なり京アニ作品に触れてきた人が多数で、自分に至っては常に青春時代の横にあった。家の棚には思い入れのある円盤も数多くある。


ハルヒけいおんCLANNADなどは天気の話より通じる最早共通言語とも呼べるものであった。


京アニのために出来る事は分からないが、家でDVDに撮ってある作品のBlu-ray版のBOXを二つ程ネットで購入した。


どんな気持ちで見る事になるだろう。


亡くなられたスタッフの御冥福を心からお祈り致します。

 

打ち上げ花火、斜めから見る

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を劇場で観て以来ぶりに視聴した。


当時は『君の名は。』の影に隠れてそこまでの話題にならなかったが、シャフトの粋を集めた名作である(原作は見ていないが)。


夏、田舎、山、海、ボーイミーツガール、白ワンピース、麦わら帽…etc


打ち上げ花火〜にも当てはまるのだが、並べているだけで歳を重ねた今でも心のざわつきを覚えるこれらのキーワード。


この感覚が分かる人となら飲めないアルコールも摂取できそうな気がする。

 

消えゆく平成の風景

久しぶりに河童のマークの寿司店へ行った。

 

暫く振りに行ったそこは以前のガチャガチャとした雑然とした面影は消え失せ、スタイリッシュな佇まいとなっていた。


寿司を注文する液晶は、厚い武骨なものから薄いものへ、注文を受けた寿司を載せて走る"新幹線"は撤去され、木目調の細台の上に巻かれた落ち着いた色合いのベルトによって皿が流れていた。


何より一番変わった事は寿司が回っていなかったという点だ。


前述のベルトが上下二段でもって列の注文を全て捌いていた。


もう以前の見慣れた回転寿司の風景は完全に失われていた。

 

雨の夜道の怪

残業して八時頃職場を出た。

 

長い日も落ち切り、辺りは暗い雨の夜となっていた。


田の中の暗い道を走っていると、前方に二人乗りしている二輪車が走っていた。


二人とも黄緑色の雨合羽を着ていて自分の車の明かりに照らされ良く映えていた。


差をつけられる程速くもなく、追い抜きを試みる程遅くもないスピードでもって走っていたので、付かず離れずの距離感で自分も車を走らせていた。


車内のワンセグでは自分の気になる番組が流れており、注視し過ぎない程度にそれを見ていた。


そしてふと視点を前に返すと、さっきまで二人乗りしていた二輪車に一人しか乗っていなかった。


その一人はやはり黄緑色の雨合羽であるし、同じような二輪車なので似た別の車両というのも考えにくい。


そもそも降りる様子を見逃す程の気も逸らしてはいない。


狐につままれた様な心持ちで暫く走っていると、やがて二輪車は左へ曲がっていった。


曲がっていって少し小さくなったその二輪車を見ると、それはまた二人乗りで走っているように見えた。

 

新世紀におけるエヴァンゲリオン

Netflixエヴァンゲリオンの配信が始まったので、ぽつぽつ見始めた。

 

何年かぶりに見るエヴァは完全にブラック企業のメタファーであった。


嫌々入社した新入社員のシンジ君に、無茶振りばかりする社長の碇司令と理不尽な叱責を繰り返す上司のミサト。


放送当時は知らないけど、現代の新作として世に出されていたら結構な炎上案件ではないだろうか。